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遠いのが好き

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G の天体写真 ~ 主に銀河を撮ってます。

英Orion CT-10

簡単にまとめるとこんな感じです。
・CT-10+パラコアはとてもシャープ。
 5.4μmピッチのCCDでFWHMが2ピクセル(1.6秒角)を下回る。
・EQ6PROではやや過積載。
 ガイドスピード0.5倍速では修正が不正確。0.25倍速ならOK。
 風に弱い。風でゆれる量は風速=秒角くらい。風速4mなら4秒角くらいふらつく。
・接眼部が少し弱い。逆に言うとコレ以外は問題なし。

ここから長文です。 (^^;

注文してから7ヶ月も待って、ようやく納品されました。
久しぶりの新品鏡筒です。高かった。

うーむ、でかい。口径250mmとしてはとても軽いのでしょうが、持ってみるとやっぱり重い。このでかくて重くて長いやつをガイド鏡ガイドで運用します。EQ6PROではギリギリか。いや、ちょっと限界を超えているかも。
英Orion CT-10_b0203904_7455721.jpg

英Orion純正のCT Losmandy Dovetailを注文していたのですが、メーカーが付けてこなかったとかで、代わりに販売店がLosmandy社の標準ダブテールプレート ロングを付けてきました。いいんだけど、過剰に丈夫な気がします。ただでさえ過積載なのに予定より1kgくらい重くなってしまいました。ガイド鏡や冷却CCDカメラと合わせると総重量は約20kg。これは無理かなぁ。

ただ、何も策を打たない訳ではないです。重量はなるべく増やさず、慣性モーメントもあまり増えないように、ガイド鏡は平行同架のプレートは使わず、親子亀でもなく、まぁ鏡筒の横腹あたりに抱きつかせます。あらかじめ遊馬製作所に作ってもらった40cmのアリガタプレートを鏡筒バンドにネジ留めし、これにガイド鏡を取り付けます。ガイド鏡はミニボーグ45ED II、軽いので左右のバランスはファインダーとつりあっています。これで赤道儀のウェイトは5.1kg×3個で足りました。慣性モーメントを減らすため、2.8kgのウェイトを追加。

光軸をサクっと合わせて準備は整いました。とりあえず木星を観望。
「うぉ、縞々がいっぱい。縞の中やその間のウニョウニョした模様まで見える!」
「これが25cmの威力か・・。」
R150SやVC200Lでは見たことの無い世界です。これは期待が持てます。

で、撮ってみたらやっぱりすごかった。バイザック君、使いこなせなくてごめんね。
でも、こっちがいいの。

作例として別の記事にリンクを貼っておきます。
NGC6946

購入してから約半年たちました。眼視でも写真でもこれまでの主砲であるバイザックを上回っています(基本的には口径の勝利なのでしょう)。ただ、接眼部はもう少しがんばりましょう。って感じです。

まずはココ。2インチのアイピースを留めるネジ。つまみが小さいので握力のない私はしっかり留められませんでした。(アイピースはOKでも、カメラは無理でした)
英Orion CT-10_b0203904_7485322.jpg


つぎはココ。アイピースを外して接眼部から覗くと、いろいろ光ってます。ドローチューブ内は植毛紙を貼り、斜鏡側面はつや消し塗装しました。
英Orion CT-10_b0203904_7492261.jpg


鏡筒側面から焦点面までの距離はニュートン式望遠鏡としては長いほうではないでしょうか。G2-8300カメラ+パラコアの組み合わせだと、延長筒を付けてもドローチューブをほほ伸ばしきってます。
英Orion CT-10_b0203904_7495123.jpg

めいっぱい伸ばした先に重いカメラ・・・。弱そうですねー。最初は5分でも流れました。ドローチューブにかける与圧を高めに調整したら10分くらいまで耐えられるようになったので、ココは弱点の一つだと思います。ま、私の撮影地は空が明るく、10分も露光しないので実用上問題なしです。。
英Orion CT-10_b0203904_7502118.jpg


ところで、この接眼部、ここまで繰り出すと大きな隙間ができちゃうんです。
英Orion CT-10_b0203904_7504524.jpg

英Orion CT-10_b0203904_751226.jpg

おもいっきり外光が見えてます。この構造はいまいち。。何とかせねば・・。

話題を変えて、思ったことをいくつか。

オートガイドについて。
ミニボーグ45ED II、QHY5、Guide Masterという組み合わせでガイド精度は不足ないように思います。ただ、EQ6PRO赤道儀にCT-10は少し荷が重いのかも知れません。デフォルトのガイドスピード0.5倍速ではオートガイドが不安定で、0.25倍速にしたら安定しました。モーターのトルクが足りないのかも。例えば0.1秒間だけ0.5倍増速・減速と言われても正確にこなせない。同じ量の修正を0.2秒間だけ0.25倍増速・減速なら大丈夫って感じです。ちなみに軽く短いバイザックでは0.5倍速でも問題なかったです。

風の影響について。
風に弱いです。わたし的には風速4mが限界点です。ただ、これは建物の影響があるかも知れません。軽量鉄骨なので家が揺れてそう。私は自宅に据え置きで遠征とかしないので、この辺の正確なところは分かりません。バイザックでも風に弱かったので過積載のせいとは言い切れないように思います。

最後に、周辺減光について。
英Orion CT-10_b0203904_7513176.jpg

斜鏡が小さめだし、筒外焦点が長いことから想像できる通り、フォーサーズのチップでも周辺減光は大きいと思います。

長文をここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
by g-log | 2011-01-01 08:02 | 機材 | Comments(2)
Commented by sassan at 2011-01-01 13:53 x
初めまして。こちらの無理なお願いに対し、詳細なレポートを掲示頂きありがとうございます。
ますます、CT10に興味を引く結果になり、物欲を抑えるのに必死です。
では、では。
Commented by g-log at 2011-01-01 15:51
sassanさん、この記事が参考になればうれしいです。
これまでED80S→OCM140→VC200L→CT10と大型化してきましたが、これはゴールかもと思っています。星を見た瞬間、「あ、コレだ。」って感動しました。記事に書いた木星もすごかったですが、最近、観望が減ってきたヘタレ目の私でもトラペジウムに余裕で6個の星が見えました。
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